世間ではすっかりレンチン料理が定着していまね。
テレビでも雑誌でもネットでも、もちろんクックパッドでも。
最近、クックパッドからレンチンのレシピ本が出版されたのもあり、投稿をためらっていました…
しかしながら、レンチン料理礼賛の世の中の傾向に、個人的に非常に不安を感じていて。
クックパッドブログが終了する前に、皆さまからの批判覚悟の上での敢えての投稿です。
私はレンチン料理はしません。
理由は大きく2つあります。
ひとつめは、美味しくないからです。
我が幼少期の昭和の時代から、母が得意げにレンチン料理をしていました。
しかし、何せ美味しくないので、「レンチン料理しないで」と訴えたら嫌な顔をされた思い出があります。
母にとっては、現代同様、便利な調理方法だったのだと思います。
ごはんをレンチンで炊くこともありましたが、これが特に硬いし、美味しくないんです…
以来ずっと、何故にレンチン料理は美味しくないのだろうと思っていました。
そんな折、20年程前にたまたま視聴したテレビのトーク番組で、ようやく合点がいきました。
女性の料理研究家がゲストで登場し、電子レンジを使ったレシピを考案することになり、あれこれ試作しまして云々、という内容でした。(多分、いつみても波瀾万丈という番組で、カーリー西篠さんです)
カーリーさんのお父さんが電子レンジの開発に携わっていた、とも話していたように記憶しています。
番組中でカーリーさんは「レンジは再加熱には向いているけれど、加熱調理には向かない」と断言していました。
レシピ考案にあたって試作品を作る中で、専門機関にて加熱後の食品の構造の変化を調べてもらったところ、レンジで加熱調理した食品は、火で加熱調理した場合とは分子構造だかが全く異なったものになってしまうことが判明したそうです。
何がどう異なるのか、はたまた分子構造だったのか、詳細は覚えてないのですが💦
とにかく食品の組成だかなんらかが、異なっているのだそうです。
既に加熱調理したものを、電子レンジで「再加熱」した場合には食品の組成だかを変質させることはなかったそうです。
でも、加熱されていない食品を電子レンジで加熱すると、変えてしまうのだそうです。
火による加熱調理 = レンチンで再加熱 ≠ レンチン加熱調理
食品の中で起こっている変化は、こういうことのようです。
このことから、カーリーさんは、電子レンジは再加熱向けの機器であり、加熱調理に使用してはいけない、というような話をしていました。
(レシピ考案の依頼者にもこの旨を伝えたようですが、故にその後レシピ考案に至ったかどうかまでの顛末は、すみません、覚えていません。)
通りで、食感も味も違うはずだと、非常に納得しました。
レンチン料理が美味しくないと思われる理由として、加熱ムラ、などという意見も見受けられますが、もはや加熱ムラ以前の問題のようです。
レンチン料理を否定する衝撃的内容でしたが、その後に各メディアでこの話題を取り上げることはなかったようです。
まあ、大企業の主力製品に水差すようなものは…。
最近話題になっているジャニーズ問題を見ても、尚更その感を強く抱いております。
ネットでは、レンチン料理で分子構造が変化する説や、否定説も散見しますが、テレビで発言しているのを見たのはその時限りです。
その他にも、ネットではさまざまな危険説や否定説を見かけますが、私には正解が分かりません。
さて、言うより見るが易しと、息子が小学生の頃に一緒に実験してみたことがあります。
じゃがいもを、茹でる、蒸す、レンチンするという加熱方法ごとで、結果がどうなるのかやってみました。
1センチ角に切ったじゃがいもを約10個ずつ、竹串がすっと通る硬さまで、加熱してみました。
結果、出来立てについては、各加熱法によって、食感や味に大きな違いはありませんでした。
私的には、レンチンしたものは、味も食感もイマイチですが、出来立ての時点では、まだ食べられるレベルです。問題はこの後です。
5分後、10分後、30分後と、常温に放置したところ、時間の経過とともに、大きく違いが現れました。
レンチンしたものだけ、硬く、ゴワゴワとした食感になり、時間の経過と共に、もはやじゃがいもではない代物に変化していました。
形も、サイコロのような立方体の面の部分がへこみ、角張っています。
味も劣り、噛むのも困難なほど硬く、ゴムのような、なんというか、もはや食品ですらないとしか言えないようなものに…。とても食べられたものではありません。
レンジでの加熱しすぎによる乾燥、または、時間経過につれてさらに乾燥が進んだため、とも考えられますが、もはや乾燥だけでは考えにくいほどの食感の変化です。
茹でる、蒸す、の加熱調理では、冷めた分だけ出来立てよりは硬くは感じるものの、時間が経過しても食感も味も大きな劣化が見られませんでした。
息子も私も、想像以上の結果に驚きでした。
レンチン料理は、出来立ては美味しく感じるかもしれません。
でも、時間が経ってから口にした場合はどうでしょうか?
水分が多めの食材や、水分を加えて調理した場合は、食感が硬くなるのが緩和されれて、その変化が分かりづらいのかもしれません。
一度、加熱法による違いを試してみてください。
試してみなくても、レンチン料理する方なら既に経験済みかもしれません。
レンチンの加熱具合に失敗したのでなく、レンチン料理では、そういう食品が出来上がるということです。
同じ食材でも、蒸す、茹でる、焼く、では異なる食感や味に出来上がります。
レンチンは、これらに続く新たな加熱スタイルなのだから、出来上がりが異なるのは当然と捉えればいいのでしょうか??
人類古来からの加熱方法とは大きく異なるレンチン料理。
出来上がった食品も、人類にとって未知の代物となっているように思います。
果たして、人体に悪影響を及ぼすことが全くないと言えるのだろうか!?
これが、私がレンチン料理しないふたつ目の理由です。
レンチン料理だけではなく、食品に関わる危険性は多々あります。
農薬や、化学肥料、食品添加物、マイクロプラスチックに、海洋汚染、調理法によっては発ガン性物質が形成されるのだの。
全て回避出来るに越したことはありませんが、お金や時間の問題、知識不足などもあり、私もいろんな危険性に自ら晒されている状況でもあります。
レンチン料理、便利だとは思いますが、火による加熱調理とさほど手間暇や、時間に差が生じることはない、というのが私の感想です。
レンチン料理は設定時間で自動的に調理停止してくれるのが便利のようですね。タイマー式のコンロがあれば解決しそうですね。
レンチン料理は、便利や時短なだけじゃなく、栄養だって逃げにくいからむしろ優れた調理法だと、ネットでも雑誌でもテレビでも謳っていますが、本当なのでしょうか?
かつてのカーリーさんの発言は虚言、妄言、勘違いだったのでしょうか?
もしくは、私の聞き間違い、記憶間違いなのでしょうか?
ずっとモヤモヤしたまま現在に至っています。
ともかく、レンチン料理の危険性の有無について特に議論されることなく、どんどん世間に定着していることが、私はただただ不安です。
最後に。
気分転換に、我が家のハムスターのあざとかわいい写真を。